両替ミスが役立った!知覧行きのバスでのほっこりエピソード

うっかり両替ミスをしてしまい、お財布の中が小銭や1000円札でパンパンになってしまうと、少し残念な気持ちになる。
でもあるとき、両替ミスをしたことで人の役に立つことができたのです!
知覧行きのバス内での、ちょっとほっこりする物語。
知覧行きのバスにて
2015年の秋、わたしは鹿児島県を旅していた。
その日は知覧特攻平和会館に行くため、鹿児島中央駅から知覧町行きのバスに乗車。
行く人が少ないのか、車内はとてもがらんとしている。
わたしは窓からの景色も車内のようすもよく見えるよう、一番後ろの席に座った。
「1万円札を崩せる方いらっしゃいませんか?」
途中、おそらく校外学習帰りであろう男の先生と10人ほどの小学生が、ぞろぞろと乗車。でもみんな騒ぐことなく、静かに席に着く。
すこし人が増えたバスはふたたび走り出し、しばらくして赤信号で停まった。
すると、さきほど乗車してきた先生がせかせかと運転手さんのもとへ向かって行った。
青信号に変わると、先生は悩ましい表情で席に戻ってきた。
何かあったのかと思っていると、運転手さんからアナウンス。
「どなたか、1万円札を崩せる方いらっしゃいませんか?あいにくもう両替できなくて…」
そのあとすぐに言葉を発したのは、あの先生だった。
「すみません、両替したいのは私なんです。うっかりしていて。まさかとは思いますが、もしどなたかいらっしゃれば…」と。
乗客は先生と子どもたちと私を除いて5名ほど。子どもたちはそわそわ、乗客はキョロキョロ。
「わたし両替できます!」
そのまさかだった。
わたしのお財布は千円札でパンパンだった。バスに乗る前、下手に崩してしまったのだ。
ドキドキしながら「わたし両替できます!」と発すると車内はざわついた。
振り返った先生は3秒くらい目をまるくして固まっていたが、その後わたしのもとへ。
一緒にお札を数え、嘘じゃないことを確認し、両替完了。
ありがとう!ありがとう!を言い続ける先生にならって、子どもたちまも後ろを振り向いてありがとうございました!と言ってくれている。
わたしはお財布がいい感じになったので逆にありがとうと思っていたのに、ちょっと照れてしまった。
その後、先生たちはわたしより先にバスを降り、先生は深々とおじぎをして、子どもたちは手を降って見送ってくれた。その姿は今でも忘れられない。
あのとき両替ミスしててよかった。人生なにがどこで役に立つかわからない。
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