2012年の波照間島の海の中

変わらずにあり続けてほしい姿
むかしむかしの海は、いったいどのくらい美しかったのだろうか?
5年前「キレイだね」と感動した海は、今もそのままだろうか?
今も美しいままの海は、これから先も変わらずにあり続けるだろうか?
波照間島の海の中
2012年5月、私はひとり日本最南端の有人島『波照間島』を訪れた。
波照間島の北側にニシ浜というとても美しいビーチがある。(沖縄の方言で北のことをニシと言います。)
滞在中、私はこの海で、宿で仲良くなったお姉さんとひたすらシュノーケリングをして過ごした。
ビーチから海に入り、それからしばらく遠浅な砂地が続くのだが、100~200mほど進むと急に深くなる場所にたどり着く。(潮の満ち引きによって変化あり。)
そこではサンゴやカラフルなお魚たちがイキイキと暮らしていて、ずっと眺めていたいと思うほど素敵な世界が広がっていた。
今ではどしっと構えているがここまで育つのに長い年月を要したであろうサンゴたち、そのサンゴのすき間から出たり入ったりする魚の姿、白い砂地に太陽の光がふりそそぐ光景…どれもが美しく、私たちは時間を忘れて波照間の海を楽しんだ。
「竜宮城に連れられた浦島太郎は、きっとこんな気持ちだったんだろうね」なんて話をしていた。
「昔はもっとキレイだった」
島を出る日の朝、私はニシ浜まで散歩をしに行った。
同じく散歩をしにきていた男性がいたのであいさつを交わすと、そこから会話が始まった。
その男性は60代後半くらいだろうか。今は石垣島で暮らしていると言っていたが、この島のことをとてもよく知っているようだった。
この海に潜り時間を忘れて遊んでいたこと、海の中がとても美しくて感動したことを伝えると、その男性はこう言った。
『これでキレイか?昔はもっとキレイだった』と。
『前はもっとたくさんのサンゴが生きていて、生き物もたくさんいた。浅瀬はほとんどサンゴの死骸だったろ?あれが生きてた頃はそりゃキレイだった』
すこし前のこの海はどんな風だったのだろう?と想像するのと同時に、たった数十年でこんなにも変わってしまうものなのかと悲しくなってしまった。
この日からちょうど5年経った今、波照間島のニシ浜はどうなっているだろうか?
どうか、変わらずにいてほしい。
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