おばあちゃんの手から感じる人生や生き方

座間味島で暮らすおばあちゃん
座間味島の港のそばに、ベンチとテーブルが置いてある。
ベンチのわきから大きい木が生えていて、ひとやすみするのにぴったりな場所。
あるとき、ここでひとりのおばあちゃんと出逢った。
おばあちゃんは『私の手はシミだらけ』と笑っていたが、その手はおばあちゃんのこれまでが表れてるように思えてならなかった。
座間味島でずっと暮らしてきた、おばあちゃんとの物語。
出逢いはベンチ
お昼ごはんを食べに行こうとひとり集落を歩いていると、ベンチに座っていたおばぁちゃんと目が合った。
「こんにちは」とあいさつをして隣を通り過ぎようとしたとき、『あれ~?アンタ、どっかで見たねぇ。名前なんだったっけ~』と声をかけられた。
私の記憶の中ではお会いするのは初めてだったと思う。
「きっと初めましてですね。私は茨城県から来ました」こう答えると、
『そうかねぇ?あぁ、ここにいるといろんな人に会うからね。まぁ座りなさい』とおばぁちゃん。
まだそこまで腹ペコじゃないし、ちょっとだけ~と思い向いに座った。
おばぁちゃんの手
おばあちゃんはずっと座間味島で暮らしてきて、今はよく集落を散歩したり、このベンチに座ってゆんたくしているらしい。
「少し前の座間味はね~」「この前ここでこんな人に会ってね~」「私の息子はね~」といろんなことを話してくれた。その口調はとてもゆっくりで、常ににっこりしていて、素敵な人だなぁと私は思った。
通りすぎてゆく島の人と「○○さんこんにちは~!」「今日も来てたんだねぇ」「あれ?そのネーネーお孫さん?」とひとことふたこと交わす姿からも、おばあちゃんの人柄が伝わってきた。
15分くらい経った頃だろうか、おばあちゃんは『アンタは白いね~、うらやましいよ』と言うと、私の手をそっと取ってまじまじと眺めた。
そして『この島は日差しが強いからね。ホラ、おばぁはシミだらけさ。それにシワシワ。おばぁの手だねぇ』と言って笑った。
ここで暮らしてきた証
きっとおばぁちゃんは強烈な日差しの中、せっせと家事や畑仕事をしてきたんだろうな。
いや、それだけでない。私が容易に想像できるものではない。
今は笑っているけど、苦労をたくさん乗り越えてきたであろう。
これまでの人生がおばあちゃんの手に刻まれているように思えた。
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