形は同じでも……、中身は全く違う。
それは分かっているけど、良いマイクって結局何が良いのか分からない!
とりあえず値段高いマイクだから良いんじゃないの!?と思ってしまうかもしれません。
確かに良いマイクを使うと性能が違ってきます。
でも、それには理由がちゃんとあります。それを知るために高いマイクと安いマイクの性能を比較してみましょう。
良いマイクと悪いマイクの性能差
良いマイクと悪いマイク、値段はピンきりでわかりにくいので、よく使われる一般的なマイクをご紹介しながら性能の差を話していきたいと思います。
SHURE ダイナミックマイク SM58
こちらはSM58という音楽業界の“基準”となるマイクです。
※基準だからと言っても良いかどうかは人それぞれ違ってきますが、いろんなマイクと比較する時に使われるマイクです。
ちなみにSM58はSEとかLCEとかいろいろあります。
- S = スイッチ付き
- LC = Less Cable 付属ケーブルなし
- E = マイクホルダーのヨーロッパネジ変換が付いてる
- CN = XLRコネクターのケーブル付き
ややこしくするだけなんで、こういうのやめていただきたい!
※LCEのが性能良いとか書かれているサイトも多数ありますが、全て同じ性能です。
マイクの性能
- ダイナミックマイク、ボーカル用
- ON/OFFスイッチ無し
- 単一指向性
- 周波数特性:50Hz-15kHz
- 出力インピーダンス:150Ω
- 感度: -54.5dBV/Pa (1.85mV)
- コネクタ:XLR3ピン(オス)
- サイズ・重量:径51mm、長さ162mm・330g
CLASSIC PRO ダイナミックマイク CM5
こちらのマイクは非常に安いマイク。
形は似てますが……値段はなんと1,000円程度!安い!
マイクの性能
- ダイナミックマイク
- 出力インピーダンス:600Ω±30% @1kHz
- 感度:-73dB±3dB
- 周波数特性:80Hz-15kHz
- 指向性:単一指向性
- ON/OFFスイッチの無いモデル。本番中の誤操作を回避できます。
- 出力コネクタ:XLR3ピン(オス)の本格的仕様
- サイズ・重量:長さ-約16cm・約255g
「なるほど、分からん」
となっている方も多いかもですね。
良いマイクの大きな違いは“音質”
一括りになってしまいますが、一番違う点は“音質”が違うのです。
カンタンにそれぞれの項目を説明します。
インピーダンス
機器同士の抵抗のことです。高いほどノイズが乗りやすくなります。
CM5はSM58と比べて4倍もノイズを拾いやすいことがわかります。
もしうるさいところで録音をする場合は、ノイズキャンセリング機能のある機材が向いています。
ノイズキャンセリングは正確な音が分かりにくいので、ミキシングなど編集作業には向きませんが、視聴したり、録音する場合には持っておいて損はありません。
ノイズキャンセリング機能のあるイヤホンやヘッドフォン、アンプに搭載されている部品には差動アンプ というパーツが使われているので、ぜひ使ってみてください。
感度
マイクから拾える音の感度です。0から遠いほど感度が悪くなります。
CM5はSM58と比べて-20dbもあります。
-20dbは録音の音量としては中々違いがあります。カンタンに形容するなら元気な声と普通の声くらいの違いでしょうか。
周波数特性
拾った音をどこまで認識できるかです。
CM5の周波数特性は80Hz〜15Khzとなるので…
自然界の音で人間が聞き取れる音(20〜20000Hz)の中で、20〜80Hz、15000〜20,000HzはCM5は拾えません。
指向性
載っていたりするものもありますが、指向性は超重要です。
指向性が弱いと周りの音を良く拾ってくれますが、うるさいところで録音できません。超指向性と呼ばれる特性はマイクの中心からの音しか拾いません。
そのため、都会に住んでいる方など、うるさいところで静かな録音したい方は超指向性が向いています。
クセ
これは中々表せないものですが、マイクにはクセがあります。
なんかパリっとした音が入るとか、ボソボソとした音が収録されにくいとか……使ってみないと分からないというマイクの面白いところでもあり、買いにくいところでもあります。
強度
マイクには強度が実はあります。湿気に弱いとか、ライブに強いとか。
ライブパフォーマンスとしてガツンガツンとマイクを叩きつける人もいますが、あーいうのがあってマイクが壊れてしまうと困ったりしますよね?
多少乱暴に扱っても大丈夫なマイクだったりすると結構長持ちしてくれます。
最終的には自分の声をどうしたいか?予算を作る
人によって録音の熱量というのは変わってくると思います。
まだ始めたばかりの人は安いマイクでも録れれば十分です。
ちょっとステップアップしたい!最初から良い環境で!というなら予算を決めていろいろ機材を揃えていくと良いでしょう。