笠間市教育委員会から教員支援ネットワークT-KNITにご依頼いただいているコミュニティ・スクール研修会の中に、地域学校協働活動推進員向けの研修が増えました。

今回のテーマは『学校との連絡・調整について』です。

地域学校協働活動をコーディネートする立場として、学校、そして地域との連絡調整は非常に難しいものです。

どのようにすれば円滑に行くか、今回話した内容を僕自身の気づきも踏まえて少しお伝えします。

窓口が分からなくなったら

よくある地域学校協働活動の最初の壁。それが誰に聞けばいいか分からないというものです。

誰もが忙しそうにしているし、誰が誰だか分からない。そんな聞くに聞けないという状態では何も始まりません。

僕が伝えたことは「積極的に交流を図りましょう!」ということ。

コミュニティ・スクールは主に教頭先生が窓口になりやすいです。たまにコミュニティ・スクール担当という先生が用意されていることもありますが、聞いてみなければわかりません。

むしろ、先生はいつ訪ねても忙しいものです。いろんな人の繋ぎ役になっているのは教頭先生なので、そこからいろんな人とお話できるようにしていきましょう。

ちなみにあくまでも窓口が教頭先生というだけで、詳しくは別の誰かってこともあります。そんな場合でも学校でいろんな先生と繋がっている役は教頭先生のことが多い。

だからこそ、校長ではなく教頭先生をおさえておくようにしましょう。

自分の要望はずっと伝える

地域学校協働活動が活発化してくると、「これをやりたい!」というものが生まれてくるものです。

ですが、それが学校との折り合いが合わず、なかなか進展しないということも…。そんな時にどうするかというと、『粘り強く伝え続けるということ』。

なぜかというと、タイミングというものや、トップ(校長)の方針によっても変わってくるからです。

自分の場合も「地域の人を給食の時間に呼びたい」とやりたいと思ったことを伝えてみましたが、却下されてきました。でも、諦めず「やりたいんですよね〜」って言い続けたら、給食担当の先生が拾ってくれて「こうすればできるんじゃない?」と言ってくれたことがキッカケで実現しそうになっています。

ダメだとしても、「このやり方ではダメだった」ということが分かったと思って、

  • 伝える人を変える
  • 伝え方を変える
  • 伝える時間を変える
  • 伝える時期を変える

同じ内容だったとしても伝え方を工夫するだけで実現することは結構あったりします。

学校応援団ではない

これは大っぴらにして言ったことではありませんが、学校応援団になってはいけないとも暗に示しました。

「どこまでやっていいのか分からない」というお話も出てきて、その裏の心理には『学校で動いて良い範囲を伝えてくれないと動けない』という怖さがあるのかなと。

でも、地域学校協働活動推進員は学校の小間使いではありません。学校の先生が大変だから校務を減らそう!と動くのは良いですが、それが目的になってしまってはいけないのです。

大事なのは地域と学校が歩調を合わせて子どもたちに深い学びの機会を創ることです。もちろん、学校の先生の負担も減っていかなければ地域学校協働は難しくなりますが、何のために負担軽減をするのか?を忘れないようにしていきたいですね。

自分の中にイエローテープを創る

もう一つあったのが「地域と活動を深くするとどんどん役職を頼まれてしまう」ということでした。これはそれだけ頼りにされているということでもあり、いい傾向です。

ですが、それがいろんな場所で起こってくると本来やりたいと思っていたことができなくなってしまいます。じゃあ、一体どうすれば良いのか?

「これじゃなんか嫌だな」とモヤモヤしたタイミングは、自分と深く対話するタイミングだと思ってください。そうやって「ここから先はダメですよ」と自分でイエローテープを作って線を引くと、相手が「あ、これ以上は踏み込んじゃダメなんだ」ってやっと分かってくれます。

逆にイエローテープがない状態だとどんどん踏み込まれてしまい、自分が疲弊してしまいます。

ただ、これは活動がうまく行っている証拠でもあります。

逆に教育委員会の方から「最初はどんどんやれることをやっていったほうが良い。やってみないと良いか悪いかの判断ができない」というアドバイスもありました。

これは拡散と収縮のタイミングの話しであり、最初は拡散のタイミング。いろいろやって、ダメだと思ったら絞っていく。これの繰り返しをすることが大事かと思います。

全4回の研修。次回は…

この研修はたった1時間でしたが、地域学校協働活動推進員しか参加しないということで選りすぐりの参加者のみ。しかも実践を行っている人のみなので、非常に濃い時間だったなーと思います。

スライドを用意するのではなく、その人の心に寄り添うように質疑応答で答えていくという形なので、僕も喋りに集中できる。とっても楽しい研修だなーと感じます。

次回は9月です。

興味があったら声かけてくださいね。