相模原市殺傷事件の概要をリンクしておきます。
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とても痛ましい事件が起こりました。
相模原市緑区の障がい者施設「津久井やまゆり園」で殺傷事件が起こり、非常に多くの方が死傷しました…。
事務所や診療所、グラウンドや屋外プール、体育館など、やまゆり園は大きな施設となっています。
それを一人で襲撃した26歳の元職員。
被害にあってしまった方…、本当に「辛い」「痛い」「怖い」と感じる前にやられてしまったんでしょうね…。このような事件が起こってしまったこと、本当に残念でなりません…。
さらに残念なことは、
職員がなぜ守ってやらなかったんだ」と言う人が周りに出ている始末。
どうしてこのようになってしまったのか、今後、こういう事件を起こさないために何かできることはないのか考えてみたいと思います。

供述「障害者なんていなくなればいい」ほど闇が深い

犯人は障がい者なんていなくなれば良いと言ったそうです。
これは言葉通りの意味であれば、障がい者を殺そうと思った…になるのですが、この犯人の元々の性格から考えると…、そうはならないのかもしれません。

犯人の性格…明るい?

「あいさつもするし、話し方も明るく腰が低い好青年」
近所の人はこのように言っています。普段は普通の明るい青年であると。
このような事件が起こると決まって、このような性格ばかりがピックアップされるのですが、きっと誰でもこのような事件を起こす危険をはらんでいるのかもしれません。
それはこの世の中に絶望してしまうような背景にあると思うのです。

うまく行かない世の中に絶望?

2012-13年頃 大学卒業、教員免許
民間企業に就職
民間企業退職
津久井やまゆり園に就職
2013-14年頃津久井やまゆり園クビ
2016年現在 金髪で無職
出典:2ちゃんねる

出典が2ちゃんねるなので、どこまで本当か分かりませんが…。
大学を卒業しても、教員免許を持っていても、うまく行かない世の中になっています。
さらに、やまゆり園をクビになっていることが分かります。
供述では「ヤツをやった」と言っていることから、クビにした人をやったという話も含まれているのかもしれません。
そして、これだけ早いペースで退職をしているので、次の職場も中々決まらなかったのかも…。
加害者の肩を持つワケではないのですが、こういう人は今の日本にはいくらでも居て、それを理性で抑えているだけで、「もうどうしようもない」まで落ちてしまった場合、精神がどうなるかなんて分かりません。
これは私も同じようなもので、「もうどうしようもない」と思ったこともあります。ただ、まだ何とかなる、仲間がいる、家族がいると思えたからこそ私は踏ん張れた。
そういうものがなかったとしたら……、どうなるかなんて予想もつきません。

犯人の背景にある「こういった施設」は闇が深い

障がい者施設と、介護施設ではケアの仕方が少し違いますが、似たような話を聞きます。
その点をご了承の上、ご覧ください。
私は介護施設で働いたことがあります。
障がい者施設、介護施設は本当に闇が深いです。
加害者はこういう施設の闇を体験してしまい、魔が差してしまったのかもしれません。
私が経験したことのあるもの。

  • もう救いようがない、回復のしようがない人をケアするという精神的な負担
  • ケアをしていた人が亡くなってしまうという精神的な負担
  • 職員同士の派閥があり、「あっち側には付くなよ」という風に言われる
  • 上の人は施設を建てるだけで、何とかしようとは心からは思ってない(上辺では「皆さんのために」って言う)
  • ケアしている人からの暴力
  • お金が払われないという事実
  • 健康保険や、年金の切り替えを行ってくれない経営者
  • 正社員がなぜかバイトより安い給料になる
  • 離職票をくれない

もうね、いろいろあるんですが、ピックアップするとこんな感じです。
全ての施設がこうではないと思いますけど、人のケアをするってことは本当に大変で、障がい者施設であっても、介護施設であっても、そのケアはすごく難しいと感じます。
特に上に立つ人がケアということ自体に興味がなく、会議の時に適当なことを言って、現場のことを考えない発言を繰り返すということが時としてめちゃくちゃ問題になります。

ケアする人が圧倒的に足りない

介護では3人を一人で見ろって現場になってます…。障がい者施設もきっと同じなんだろうなって感じます。
何をするか分からない、全く動けない人をケアするんです。
しかも3人を一人で。
一人を3人でだったらどんなに良かったか……。
誰かがTwitterで言ってましたが…。

職員も「なんで守れなかったのか」を考えてもらいたい

とか言ってましたが、無理です。
相手は凶器を持っているのに、こっちは丸腰ですよ。
しかも、人質が数十人いるのと同じ状況でどうやって立ち向かえと!逃がせと!!
全く動けない、判断できない人たちを一人逃がしている間に残った人は皆、殺されてしまうでしょう…。
そういう状況になったらまず対処ができません。
人だけでなく、災害時も同じです。
だからこそケアをしている人だけで対処をするんではなく、どうやって周りと連携するか、その状況になったらすぐ異変が起きたと伝えるか、どうやって呼ぶかが重要なのかもしれません。

労働基準監督署の闇も深い

介護の仕事を辞める少し前になりますが、

  • お金が払われないという事実
  • 健康保険や、年金の切り替えを行ってくれない経営者
  • 正社員がなぜかバイトより安い給料になる
  • 離職票をくれない

この4つの点について労働基準監督署に相談しに行ったことがあります。
職員の人は親身に聞いてくれました。ひどい話だねと言ってもくれました。
しかし、イチ職員の考えでは何もできないし、何もしてくれません
結局、改善されることはありませんでした。

労働基準監督署に申し込みをするには自分の名前の公開と正確な事実を持っていく必要がある

どうやっても早い時点で調査して欲しい場合……
自分の職場の改善をするためには、自分の名前を公開しなければなりません。
名前を出さなければ「◯◯さんから意見がありまして…。」って言えないからでしょう。
しかし、名前を出せば、その職場からは居られなくなります。
触れてほしくないところを問題提起するのですから、関係が悪化するのは間違いありません。
また、調査チームを動かすには正確な証拠が必要です。音声や、データ、写真を残さなければなりません。そのためには隠し撮りや、データの持ち出しもしなければならないかも。
それ自体が何だか違法なニオイがしなくもないですが……。
現実を塗り替えるためには自分が汚れるしかない……とも言えるのかも。

まとめ

今回はすごく辛い事件でしたが、ケアする人の立場を知っている身からすれば、いつこうやって噴き出すか分からない危険を背負っていると思います。
私たちは介護仕事は職員に任せておけば良い…と思ってしまいがちですが、お互いが協力し合うようにしていかなければ、より良い未来はやってこないんだろうな……って感じます。

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徹底的なまでにリアルでほとんどの介護施設がこのような現場でしょう。