過激な表現かもしれませんが、僕は人を殺したことがあります。

正確には『自分自身を殺したことがある』のです。

今回は自分を殺すってどういうことか?どんな心境で自分自身を殺すことになったのか?反抗期という時期に重なった僕自身の過去の体験について話します。

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どうして反抗期で自分を殺すことになったのか?

原因はささいなキッカケから始まる人間不信

なんで自分を殺そうと思ったのかというと、子ども(中学校)の時、僕はいじめを受けました。

いじめのキッカケは些細なもので、いじめのリーダー的な人の席の隣になったのです。

それがキッカケでみんなが先生にはバレないようにいじめてきました。

部活の時も、すれ違ったことも話したこともない先輩たちから呼び出しをくらって

「お前生意気なんだよ」と言われてしまう。

小学校では人気者で、どんなに友達に囲まれていても関係ないんですね。

こんな風になってしまうと、段々、人と話すことが怖くなりました。

自分の手足がまるで泥に埋まっているかのように、動かなくなって、自分の頭が常に沸騰しているかのように、常に緊張している。

友達が話しかけにきてくれていても、友人がまるでホラー映画の殺人鬼のように見えてくるのです。

「裏では何を言われているか分からない」

そんな風に誰とも段々、誰とも話せなくなっていきました。

解決法がない絶望感

いじめというのは本当に厄介なもので、自分にも周りにも解決方法がない。

いじめのリーダー格だった人を処罰すれば良いのか?という単純な解決法ではありません。

処罰をしても負ってしまった傷はもう癒えることはなく、普通に学校で顔を合わすことになってしまう。

またあの張り詰めた地獄のような空気の中に戻る?

そうすると「また何されるか分からない…」と悩みました。

考え抜いた先に悟ったんです。

「もうこのクラスに俺の居場所はない」と。

クラス全体でいじめをしている状況だと、全員の意識を同時に変えるというのはどう考えても不可能なことなのです。

「さっきはごめんね。これから仲良くしよう」

みたいな言葉を今まで自分を陥れていた人たちから受け取ったとしても、とても信じられるものではありません。

そして、そこから「なんでそんな我慢して学校に行かなきゃいけないのか?」と考えたのです。

自分を殺すのはストレスをマックスにすればできてしまう

学校に行かない理由を作って自分を助けた

ここからは簡単で学校に行かない理由を作れば良い。

結局、外界から遮断された状態に行ければ良いと考えているので、死ぬ以外にも殺す方法っていろいろあって、自分自身を無力化すれば良い。

他の全てを犠牲にしてでも自分自身を助けるという方法を僕は取りました。

その方法が解離性健忘症。

解離性健忘症は自分が嫌だと思ったものを忘れることができるものですが、その中でも全般性健忘という、ものすごく強力な記憶喪失になりました。

全般性健忘(generalized amnesia)では,患者は自身の同一性と生活史(例えば,自分が何者なのか,どこへ行ったか,誰と話したか,自分が何をし,言い,考え,経験し,感じたか)を忘れる。よく習得された技能が使えなくなったり,世間について以前は知っていた情報を忘れたりする患者もいる。全般性解離性健忘はまれであるが,戦闘を経験した退役軍人,性的暴行の被害者,および極度のストレスまたは葛藤を体験した人で比較的多くみられる。発症は通常突然である。

出典:解離性健忘 MSD マニュアル プロフェッショナル版

ぶっちゃけ言うと、人生の再起動ボタンを押したのです。

ここで僕は昔の僕自身を殺すということに成功しました。

反抗期を終えて人生再起動は大変だったが、平穏を手に入れた

解離性健忘症というものによって、人生再起動ボタンを押した後は言葉が使えなかったり、人を覚えてなかったりして、非常に四苦八苦する日々でした。

なぜこんな風になっているのか、当時の自分は分からず、親に迷惑をかけてしまったと思って、泣いたりもしていました。

ただ、その分、学校には行かなくて済むようになり、嫌なものからは遠ざかり、見るものすべて好奇心の塊になって、ある意味、充実した人生を過ごしていました。

今にして思えば、この時から確実に多くの人とは違うレールに乗っかったと感じています。

今、反抗期が来ない子供が多い

大人になってから感じるんですが、人生再起動してから大変だったけど、自分との向き合い方に大きな変化があったなーって思っています。

でも、もし、あのままリセットが起こらないで、何も感じずに過ごし続けていたら、僕は僕自身の壁を乗り越えられず、情けないままの大人になったかもしれません。

正規ルートじゃなかったかもしれませんが、あえて自分が選択した道に行く。

そうすることで、自分がより自分らしく成れたのかなと思うのです。

実は今の子供は思春期が来ても反抗期が来ないということが意外に多いようで、これって今の大人たちが作り上げている『社会コミュニティ』の影響だなって。

ママスタコミュニティに寄せられた、こんなつぶやき。中学3年生の息子さんを持つ、ママからのものです。

『反抗期が来ない。学校のこと、部活のこと。私から聞かなくても、ペラペラ話してくれる。勉強も自らするし、部屋にこもることもない。スーパーへの買い物にだってついてくる。この先、激しいやつが来るのかな?』

意外にも多かったのは、「うちも同じ!」という意見です。

出典:意外にいる!?「反抗期のない中高生」に共通するものとは? – mamasta セレクト
ソルティー
ソルティー

反抗期は暴言をするかしないかじゃなくて、反発をするかしないかだと思ったり。

反抗期ってたしかにその時は親も子供もすごい大変なんですが、その子が壁を乗り越えて、次のステージに上がるためにはめちゃくちゃ重要って思うのです。

反抗期を避けてしまった親が子を育てることの恐怖

で、僕のことを棚に上げるわけではないのですが、反抗期で自分と向き合わない人って居たと思うんです。

そうすると反抗期を避けてしまって心が子供のままの親世代がたくさんいるかもしれないってことです。

そういう親が子供の反抗期に向き合えるか…っていうと非常に難しいなぁと。

うまく危険を回避しようとか、世の中の面白くないことになぜなんだと苦悩するって僕は大変だったけど、人生を最終的に楽しむためには重要だと感じています。

でも、そこに向き合わないとか、避けるということも意外と簡単にできちゃうんです。

なぜかというと、ルールに素直に従って、何も考えないで、脳死プレイしていれば良いから。

でも、そのまんまだと自分の心がどんどん死ぬんですよね。

昔の教育方法って、兵隊を作りたかったわけで、そういう人の心を殺すような教育だったし、自立してもらっちゃ困るからお金の教育もしなかった。

それが今でも学校にはかなり残っていて、何も考えないような子が生み出され続けている。

学校に行くことに疑問を感じない、将来どうやって生きたいか?という希望もない子ができてしまう。

本当に子供が自分で考え、仲間の助けを借りながら、人生楽しく生きられるようになるのか?って考えたら、今のままだとならないなぁと。

結果として反抗期が来ないなんて、世の中になっちゃってるわけです。

そりゃあやばい。

反抗期は『自立のスタート』です。

反抗期は抑えつけないで、話を聞いて、やらせてみて、どんどん失敗させることが大切だと思うのです。

まぁ、それよりも何よりも親の反抗期(っていうより自立)が済んでないと、子供の反抗期を支えることは難しい。

大人になっても反抗期が終わってないなら、親も好きなように生きていくことはできるって感じられるようになるのが大事かなと思います。