現在、T-KNITの中で学習指導要領のスキルツリー化計画が進んでいます。
多くの先生が認知していないかもしれませんが、ゲーミフィケーションという仕組みを使いつつやりたいという話も出ていて、子どもの個別最適化を助ける最高のツールになりそうな予感があります。
例えば、不登校になってしまった子がいたとしても、「うちの子はどこができて、どこが足りないの?」ってことが視覚化できる訳です。
先生たちにとっても、「この子は国語のこの辺りが抜けているなぁ。」とか、「算数では足し算ができてないから、掛け算が難しいのかぁ」と、いろいろな関連性が見えてくる訳です。
ただ、ここで課題となるのが「先生って学習指導要領読んでるの?」って話。
学習指導要領の勉強会みたいなのに出ると毎度、この質問や、話題が出るくらい大きな課題です。
今回は先生からめっちゃ怒られそうなこの話を失礼を承知で深堀りしてみます。
“読んだ”は理解したとは言ってない
先生たちは学習指導要領を読んでいます。が、理解したとは言っていないところがポイントです。
先生たちは学習指導要領の改訂版が出た時点で必ず一回は読みます。これは研修があったり、学校で強制的に読みなさいと通達が出るからです。
しかし、ほとんどの先生が読むだけで深く理解するところまでは到達できていないと思っています。
基本、人はインプットしたものを理解するのに何回か読んだり、アウトプットしたりしながら、理解を深めていきます。
学習指導要領は337Pにもなる相当奥深い本です。
理解するまでに相当な時間がかかるでしょう。それこそ、何度もペンキを塗り直すように、何度も読み直さないと一人で深い理解までは到達することは難しいと思います。
学校の先生はとても忙しいです。時間的な余裕がなく、自分の体力回復や、明日の準備に追われてしまっています。
だとしたら、「学習指導要領を読む!」という強い決意と目的意識を持って時間を空けて読まない限り、読む時間は作れないのです。
実際に理解していないのは働き方を見てみれば分かる
今回の2020年に小学校向けに出た学習指導要領では、ちょっと読んだだけでも、大事なことが分かってきます。
例えば…
- 学年をまたいでも良く、教科によらない教科横断的な学びを大切にしましょう
- 人には資質と能力に違いがあるので、発達段階に応じて指導しましょう
- 社会の形成者として、家庭との連携を強化しましょう
こんなことが書かれています。しかも、これらの重要な単語はいろんなページに敷き詰められており、結構な頻度で書かれています。
ということは、ちゃんと読んでいれば分かることなのですが、実際、学校が変わったか?というとほとんど変わっていません。
国語は国語、算数は算数だけやっていることは結構ありますし、
資質と能力に違いがあるのに、みんな一律な行動を強要されたりしますし、
未だに地域や、保護者が入っていくことは学校にとってノーセンキューな状態が多いです。
そんな状態なので、よく先生に「学習指導要領って読んでますか?」って聞くと、「読んでますよ!何言ってんですか!!」って怒られたりします。(実際怒られました(笑))
プライドもあるんだろうと理解しているんですが、実際、学校は変化が見えるくらいまで変わっていないことは往々にしてあるのです。
ということは、学習指導要領は読んでたとしても、実行には至っていない、つまり腑に落ちていないのかなとも思えるのです。
※もちろん、学校のルール的に改革できなくて、そういう働き方をできなくてモヤモヤしている先生が多数いるのも知っていますが💦
学習指導要領、保護者から声をあげよう
ここで重要なのは、実は「今回の学習指導要領、保護者や、地域も読んでください」って文部科学省が言ってたりします。
※ちゃんと保護者用のリーフレットも用意されています。
つまり、保護者から「この授業って学習指導要領に沿ったやり方ですか?」って言うことが大事だってことです。
先生たちは今まで、カリキュラム通りというか、教科書どおりにやることが推奨されてきましたし、そのやり方が染み付いています。
それ以外のやり方が難しくなってしまっています。考えもつかないのです。
でも、それってこれからの子どもたちを作っていくことに沿っているの?って言えるのは学校以外の人、つまり地域や、保護者しかいません。
そのためにも地域や、保護者がまず、先生たち、「ちゃんと授業やってくださいよ!!」って言う前に学習指導要領をちゃんと自分たちが読む。
だからこそ、授業や、学校の形を改めましょうって言えるのかなって思います。
とはいえ、すごくデカイ資料で、読むのに苦痛だって方も多いと思います。
そこでこの動画がオススメです。
ゆる〜く学習指導要領がわかります。
https://www.youtube.com/watch?v=6C5AQnNF_A8
こういう動画を使って、まずは自分たちが先生たちが置かれている状況を理解するってことが大切だなって思った今日このごろでした。