教員支援ネットワークT-KNITで会員が企画した『先生がほっとできる場所 ともるば』というイベントに参加してきました。

今回の講師は一般社団法人 COHMCaの作業療法士の真嶋さん、精神科医の松本さんです。

先生を対象にしたカウンセリングサービスというのは、中々世の中になく、あってもどこか行政寄りのサービスだったりします。

今回はイベントではどんな雰囲気だったのかちょっとだけお話をしていきます。

自分から手を挙げて、沈黙も良しとする

ともるばの変わってる点は沈黙のシーンがそこそこあることです。

マインドフルネスで自分自身の存在を感じたり、対話の時間であっても、誰かが手を挙げるまでファシリテーターも待つスタイルです。

多くのイベントではファシリテーターが沈黙を回避し、対話の流れを断ち切らないように立ち回ります。ですが、ともるばでは敢えて沈黙のシーンがOKとされています。

この沈黙はイベントとして非常に珍しく、「喋らなくて良いのかな」とソワソワする気持ちになります。と同時に「何を喋りたいだろう?」という気持ちにもなってくる。

強制的に自分と対話することで、本当はどうしたかったんだろう?、どのように思っているんだろう?とリフレクションが度々起こります。そして、気付いたこと、思ったことを手を挙げて発表する。

ただただ、周りは何も言わず聞いてくれるので、「これで良いんだ」と思わせてくれます。

これは自分と対話する瞬間に立ち戻されている…ということでもあり、他人との対話ではなく、自分との対話を楽しむイベントなんだと感じられました。

面白かった話

今回対話の中で面白いなって感じた話が2つあります。それが『走らされると死ぬ』と『配慮配慮配慮』です。

動物は走りたくて走れば死なないけど、走らされると死ぬ

高校の先生が犬と散歩した時の話です。

犬と全力で一緒に走って、犬が我先にと走っていき、その後、死ぬかと思うほどハァハァしている様子を見た時。

「私がこの子を無理やり引っ張って走らさせていたら、この子は死んでいただろう。私たちも自分で走りたい時は死なないけど、無理やり走らされていたら死ぬだろう。」

と話していました。犬の散歩と働く環境をかけた面白い話ですよね。

自ら決めて走っている時はちゃんと自分の限界が分かるので、走りすぎないようにセーブをするし、限界近くなったらちゃんと倒れ込むようになっています。

ですが、周りから走らされている状況だと、限界に気づかない。もしくは限界が来たとしても相手に申し訳ないと思って、限界に気づかないフリをして走ってしまう。

働き方としてどっちで働いているのか?は非常に重要なラインだなって感じます。

配慮配慮配慮、果たしてこれは自分のメッセージだろうか

これは僕が話した内容です。

僕は最近、誰かを気遣いながら投稿することが増えました。例えばこのブログも多くの人が見に来ますし、他のブログや、メディアに寄稿する時もここ以上にいろんな人が見に来るわけです。

たまにコメントをOKにしていると、正直「え、そこが気になるんだ」って内容を指摘する人がいます。当然、気になったのだから直したいと思って直します。

でも、直した先でまた気になる人がいて、また直したりしていきます。

そうやって出来上がった内容は最初とはまったく違った内容に変わっていることがあります。これは伝えたい内容じゃないと思って削除したり、非公開にしたり…。まぁ、そういうことが稀に起こるわけです。
※稀になので、本当に少しです。多くの指摘はより良いコンテンツのためになっています。

もちろん、世の中に公開する内容ですから、そうやって内容を修正する必要は確実にあるし、そのおかげでより良いコンテンツに変わっていくこともあるのは分かっています。

ですが、そうやって出来上がった作品が全く違うものになっていて、自分のメッセージがかき消えてしまった時、「配慮配慮配慮で、誰の言葉なんだろうと思う時があります」と言った自分に驚きました。

普段はそういう言葉を受けて、落ち込むだけですが、落ち込むということは確実に「それじゃダメだよ」、「何やってんだよ」、「どうしようもないな」という言葉に変換して自分に傷をつけているんだと感じました。

そして、そういう傾向は確実に教員の中にもあり、保護者や、上司への配慮の末に出来上がった言葉は自分の想いとは大幅にズレることがある。

それが自分自身にナイフを刺すような行為なのかもしれないなと感じるのでした。

ソルティー
ソルティー

逆に変換する言葉を変えていけばメンタルが崩れることはないなとも思ったので、自分に対する言葉がけを変えようと思えたのでした。

自分ではない人が率先・継続して動いてくれるプロジェクト

一つ感謝を述べなければいけないのが、ともるばは自分ではない人が率先して動いてくれるプロジェクトだと言うことです。

今までのT-KNITのプロジェクトはどこか自分が動かさなければならなかったり、一回やったら終わってしまうというプロジェクトが多くありました。

ですが、今回はやってほしいことを相手の興味・関心に合わせて、最初を丁寧に行い、プロジェクトの実行自体はそれほど自分は関わらないということをやって、手放しの意識でさせてもらったプロジェクトです。

今回はコラボ先であり、T-KNITの会員である松本さんが非常に頑張ってくれて、しかも二回目も三回目も!とやってくれるようになっています。

これは『興味・関心』があることに絞ったことや、『お金』の面まで考えて持続可能性を増したことが大きいかなと思っています。

人を動かすために必要なのは

  1. 『自分がやりたいと思っていること』
  2. 『自分が得するなと思えること』
  3. 『自分が動かさない手放しの勇気』

この3つが必要だと実感できたプロジェクトでもあります。

言ってみれば当たり前なのですが、この3つを今後は意識してプロジェクトも考えていければな〜と思います。この気付きをくれたともるばに関わるメンバーたち、本当にありがとうございました。

ともるばの今後

ともるばですが、毎月行うことになっていて、8月25日に二回目があります。

学校の先生を中心に参加してほしいと思っているし、苦しいと感じていても、モヤモヤくらいの感じ方でも、いろんな人に体験してもらいたい場だなと思います。

ぜひ興味があったら参加してみてくださいね!